がれき散乱 旧松菱本館内部を確認 静岡2011.1.22 02:03
破綻した後も浜松市の中心市街地に残る旧松菱本館の解体問題を前進させようと、浜松商工会議所の幹部らが21日、初めて内部に立ち入って現況確認を行った。
この日、報道陣とともに旧松菱本館に入ったのは、御室健一郎会頭、石井義勝副会頭ら。フェンスはさびつき、枯れ草が生い茂る本館屋上に上った御室会頭は「懐かしいねえ」と、にぎやかだったころを思い起こして感無量の様子だった。
本館内部には電気が通っておらず、テレビカメラの照明と各自の懐中電灯を頼りに、がれきが散乱するフロアを慎重に歩く。かつて紳士服売り場だった5階には、マネキンが転がり、高級ブランドの看板がかかったままだった。フロアを下るごとに空気が悪くなり、1階では天井にも壁にも黒いかびがびっしり。国内外の高級化粧品売り場のカウンターが、荒れ放題のまま残存していた。
現況確認を終えた御室会頭は「なるべく早く取り壊し、市民が楽しめる場所に再生したい。地権者には前向きに討論いただきたい」と、解体・再開発への意欲を新たにしていた。
地権者3者の意見集約が難航する旧松菱は、破綻から10年を経ても再開発はもちろん解体のめどさえ立っておらず、浜松市の中心市街地活性化の大きな障害になっている。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110122/szk11012202030011-n1.htm