回复:『Lythrum』
うしろ向きに並んだ 雨の中のひとひら
雲間に見た光で いびつな夢をまたひらいた
闇を待つ木立には 蜜に群れた孤独が
深綠にうなだれて つぶれた声に目を覚ますよ
咲き遲れたつばみ 風に舞い 空は銀の海
瞬きも見えないほど 軌跡などかき消すほどに
三叉路で搖れた褉萩(はぎ)の影 追いかけて
迷い雨 遠く 幻を運んでく
もしもの小舟がこの胸を乱すから
全て濡らす雨 やまないで やまないで...
淡い色で描いた 過去はひどく歪んで
物語か? 記憶か? ちぎった夢も溶かしだした
水面に這う精靈の花に 心宿らて
後悔も恐れもなく ただ白く流れるままに
三叉路で搖れた褉萩(はぎ)の影 重なって
深い雨たたく 幻を打ち砕(さ)いて
剝がされた欠片 雨音にのみ込まれ
濡れた坂道を 落ちてゆく 落ちてゆく...
三叉路で搖れた褉萩(はぎ)の影 追いかけて
迷い雨 遠く 幻を運んでく
もしも小舟がいの胸に沈んでも
淚かくす雨 やまないで やまないで...
雨に酔う花よ 三叉路で今も...