久弥直树篇
久弥直樹
企画 シナリオ担当
「ジャムの材料は社外秘です」(笑)
秋子阿姨的果酱配方,是公司的秘密(笑)
企画の仕事は、ほぼ雑用(ぞうよう)ですね(笑)
——この業界に入ったきっかけを教えていただけますが?
久弥:コンピュータの専門学校(★1)に通ってたんですが、卒業の時期になっても、就職が決まらなくて。 有名な学校ではなかったんで、求人募集も、事務とか、普通のスーバーとか(笑)しかないんです。で、どうしようかと考えているときに、クラスの友人が、あるソフトハウスの就職試験をシナリオライターで受けるというので、それまでシナリオなんて書いたことなかったんですけど、僕も受けてみようかと、結局、ふたりともその会社は落ちちゃったんですけどね。僕は負けず嫌いなところがあるので、絶対いつか受かってやろうと思ったんですよ。それから、真面目にシナリオライター目ざそうと思い始めました。
★1)専門学校
コンピュータの学校ではあるが、実際に使っていたパソコンは“FM-TOWNS”だったという、悲しい話。
——なにか勉強とかされたんですか?
久弥:ええ……といっても、それほどには。そういう専門書(★2)があるわけでもないですしね。結構遊んでいた部分もあったのですが、ひょこっと別の会社ですが入社できて……、シナリオを書くようになりました。
★2)そういう専門書
確かに、シナリオを書くための専門書というのはあまりないかもしれない。
——『Kanon』では、企画兼シナリオライターということですよね。企画のお仕事は、具体的にどういったことをされたんですか?
久弥:企画の仕事は今回が初めてだったんですけど、最初に、どういうゲームを作るかという企画書を書きます。それをスタッフ全員に説明して、スゲージュルを調整したり、細かい発注をしたりという感じです。ゲーム全体に関わるようなシステムを決めたりもしますが、結局、雑用が多いんですよね。面倒なことが、全部まわってきます(笑)
——そもそもの発案者は久弥さんですか?
久弥:はい。でも、実は、まったく違う話をやるつもりだったんです。『Kanon』とは似ても似つかないゲームでしたね。明日企画を提出しようというときになって、それまでの案を全部捨ててしまって。
——企画提出の前日ですか?
久弥:それも夜です。いきなり、それまでの案より、やりたい話が思い浮かんでしまいました。それが、ひとりの幽霊の女の子(★3)が、主人公を待っているという話で。どうしてもこっちを書きたくなって、その後、すぐにまとめて……明日提出ですから(笑)……という企画だったんです。ボツにした企画も、本当にやりたいと思ってたものなんですけどね。もしかしたら、ほかのスタッフも知らない話かもしれないんですが(笑)。
★3)幽霊の女の子
言わずとしれた、あゆのこと。実際は幽霊ではなくて生き霊だったが。『Kanon』は実は、ホラー!?
企划的工作,基本上是琐事吧(笑)
——可以告诉我您进入这个行业的契机吗?
久弥:我上的是计算机专业的学校,可是到了毕业的时候,还没有找到工作。我的学校不是很有名,所以只有行政岗和普通的超市员工之类的招聘(笑)。在我思考该怎么办的时候,同班的一个朋友,参加了某个软件公司编剧职位的入职考试,虽然我那时还从未写过什么剧本,我也抱着试试看的心态参加了考试,结果,我们两人都没能进入那家公司。因为我有不服输的性格,我想着总有一天一定要考上。从那以后,我开始认真对待成为一名编剧的目标。
★1)专科学校
虽然是学电脑的学校,但实际使用的电脑却是富士通的“FM-TOWNS”,真是个悲伤的故事。
——学习了什么吗?
久弥:嗯……说是学了东西,但也就那样,因为没有那种教人如何写剧本的专业书籍。虽然也有玩得很开心的地方,但突然从别的公司来到了这里……从那时起我逐步开始了剧本创作。
★2)这种专业书籍
确实,也许有关写剧本的专业书籍并不多。
——在《Kanon》中,您是企划兼编剧吧?企划工作具体都有哪些内容?
久弥:这是我第一次做企划的工作,最初,要写一份关于要制作成什么样的游戏企划书。然后对全体员工进行说明,调整日程,进行细致的要求。虽然也会对和游戏整体相关的系统做出决定,但最后还是以琐事为主。麻烦的事情蜂拥而至。(笑)
——久弥先生是游戏最初的策划人吗?
久弥:是的。但是,其实,我一开始打算写的故事和现在完全不同,这款游戏和《Kanon》没有任何相似的地方。然而到了第二天提交企划的时候,我却彻底地抛弃了原来的方案。
——在企划提交的前一天?
久弥:那也是晚上。相比之前的方案,我的脑海中突然浮现出我想要写的故事。那是一个幽灵一样的女孩(★3)等待着主角的故事。我无论如何都想把它写出来,在那之后,马上就完成了……我在第二天就提交了(笑)……就是这样的企划。虽然弃用的企划,也是我真的很想写的。或许,其他工作人员也不知道这些事情呢(笑)。
★3)幽灵女孩
不用说就知道,指的是亚由的故事。但实际上她不是“幽灵”,而是“生灵”,《Kanon》其实是恐怖故事!?
——キャラクターとかは、そのときから決まっていたんですか?
久弥:そのへん、初めはなにもなかったんですよ。そういう設定の女の子がひとりいるってだけて、漠然としていたんです。そこからいろいろ考えて、恋愛ゲームの形を取るということでキャラが増えていきました。
——その原案への肉づけは、スタッフ全員でされたのですか?
久弥:いや、シナリオ同士ですね。その先のキャラクターデザインになると、原画が関わってきますけど。毎回そんな感じです。
——角色什么的,是从那个时候开始决定的吗?
久弥:在这方面,一开始什么都没有,只是有一个这样的女孩的设定,比较模糊。我从那里出发,想了很多内容,采取恋爱游戏的形式,增加了其他角色。
——对原案的内容充实,是全体成员做的吗?
久弥:不,它是编剧的工作。在那之后的角色设计,就和原画有关了。每次都有这样的感觉。
秘密主義なんですよ(笑)
——シナリオのお仕事の流れは、どんなふうなのでしょうか?
久弥:まず、麻枝くんとキャラクターを分担して……これは僕らのチームの伝統なんですが……で、僕が名雪とあゆと栞。それから、各キャラに深く関係してくるサブキャラもという感じです。で、プロット(★4)を書いて、シナリオを書くんですけど、プロット通りにいくことはあんまりないですね。シナリオはこまめに変わりますからね。シナリオ書くときには、もう絶対にそのときの100パーセントの力で書くように心がけてます。僕はシナリオしか書けない人間なんで、手を抜くわけにはいかないんですよ。で、最後にふたりのシナリオをまとめる。これは、思ったより時間をとられました。たとえば、一日で全メインキャラが登場する日がありますが、時間や場所を矛盾なくつなげる作業はとても大変でしたね。
★4)プロット
大抵、シナリオを書くまえに、大雑把なストーリー展開と設定まわりを決めておく。しかし、往々にして、キャラクターはひとり歩きを始めるものなので、なかなか思い描いていたようにいかないケースが多い。
——今回書いたシナリオのなかで、いちばん納得がいくのは誰のものですか?
久弥:うーん、いちばんということなら、あゆですね。やっぱり、あゆの話を書きたいというのがきっかけだったので。ただ、キャラクターとしてはすごく書きづらかったんですね。
——書きづらい?
久弥:僕はどちらかというと、元気なキャラより、おとなしいキャラを書く方が得意なので、あゆは苦労しました。というか、今回は、登場するキャラクターを全部苦手なタイプにしようと決めていたので、あゆだけではなくてキャラクター作りは全体的にずいぶん悩んだんです。
——キャラクターがよく発する言葉は、最初から決まってるものなんですか?
久弥:「うぐぅ」(★5)とかですよね?あれは、最初から決めてたわけじゃないんですよ。シナリオ書いていたら、自然にキャラがしゃべってました。なかなか「うぐぅ」っていう口癖もすごいものがありますけどね(笑)。
★5)うぐぅ
どう考えても、普通、「うぐぅ」とは言わない。余談ではあるが、編集部内で「うぐぅおう」という謎の雄叫びをあげる人がいた。うぐぅの王様!?
——こうすればよかった、というようなシナリオはありますか?
久弥:いろいろありますよ。いま、ゼロから『Kanon』を書き直したら、全篇、違う話になると思います。名雪とか、結構書いてて楽しいキャラだったし、わりと早いペースで書いてるんですよ。もう少し時間かけて書きたかったなぁ、とか。もっとも、直感でぱっと書いたものの方がよかったりすることもあるので、必ずしも、時間をかければいいというわけではないですけどね。
——シナリオは、1キャラずつ顺番に書かれてるんですか?
久弥:いえ、途中まであゆ書いて、今度は栞で、次は名雪書いて……です。
——3キャラ並行で混乱しませんか?
久弥:結構、気分転換になります。1キャラばかり書いていると煮詰まるので。日常、つまり、特にイベントのないシーンというのはネタに困るんです。
——特に力を注いだシーンはどこですか?
久弥:やっぱりあゆのラストシーンあたりですね。ネタを詰め込めましたんで。
——ほかの方からうかがった話ですと、久弥は作成途中のシナリオを見せてくれないそうですが。
久弥:ええ、秘密主義(★6)なんです(笑)。未完成のものはあまり見られたくないんてすよ。納得した状態のものを見てほしいから、内緒にしてます。開発中は、すっと「あゆは死んでるんだよ」と言い続けてましたから。その裏で、違うストーリーを書く。テストプレー(★7)のときのみんなの反応を考えると、その方が楽しいですし(笑)。
★6)秘密主義
スタッフが異口同音に「久弥くんは、シナリオを見せてくれない」と言っていたのは、こういうわけがあったのだ。
★7)テストプレー
できあがったゲームを遊んでみること。久弥さんの以外のKeyスタッフは、ここに至るまでシナリオの内容を知ることができないのだ。ちなみに、実際の定義上では、デバッグとは別。
我是秘密主义。(笑)
——剧本的工作流程是怎样的呢?
久弥:首先,我和麻枝君分担了角色线路的工作……这是我们团队的传统。然后,我负责名雪、亚由和栞的线路。另外,还负责与各角色关系紧密的配角。然后,写情节(4),也写剧本,但剧本很少按照情节去做,因为剧本会不断变化。写剧本的时候,绝对要用百分之百的力量去写。我是只会写剧本的人,所以更不能偷工减料。最后将两人写的剧本放在一起,比想象中要花更多时间。例如,有一天所有的主角都登场了,要把时间和地点毫无矛盾地连接起来,这是非常辛苦的。
★4)情节
一般在写剧本之前,都会决定大致的故事展开和设定。但是,角色往往会开始走向各自的道路,所以很多情况下都无法像想象的那样发展。
——您这次写的剧本中,最满意的是谁?
久弥:嗯,要说最满意的话,应该是亚由吧。毕竟,想要写亚由的故事是我的创作契机。只是,她的角色线路写起来很难。
——很难写吗?
久弥:总的来说对我而言,比起有元气的角色,我更擅长写文静的角色,所以亚由写得很辛苦。或者说,这次,因为决定了登场的角色全部是我不擅长写的类型,不只是亚由,所有角色的塑造都让我倍感烦恼。
——角色经常说的话是从一开始就确定了吗?
久弥:是“呜咕”(★5)之类的吧?那并不是一开始就确定好的。写剧本的时候,角色很自然地说了出来。“呜咕”这个口癖也很厉害呢(笑)。
★5)呜咕
无论怎么想,日常用语都不会说“呜咕”。说句题外话,我听到编辑部里有人发出“呜咕”的谜一样的吼声。这就是呜咕之王吗!?
——有没有照着做就可以的剧本吗?
久弥:有很多。现在,从零开始重写《Kanon》的话,整篇都是不同的故事。对于名雪等角色,我写得很开心,比较早就写完了,还想再花点时间写呢,等等。当然,有时凭直觉一下子写出来的东西会更好,所以用更多时间不一定就可以写得好。
——剧本是按照一个角色一个角色的顺序写的吗?
久弥:不,写到一半的时候写亚由的线路。这次写栞的线路,然后写名雪的线路……
——三个角色线路并行不混乱吗?
久弥:这样可以很好地转换心情。如果一直写一个角色的线路,会让人觉得很闷。日常剧情,也就是没有特别活动的场景,素材就会让人困扰。
——特别投入精力的场景是哪里?
久弥:是亚由和主角离别的最后场景。我把收集的素材全部塞了进去。
——我听别人说,久弥先生不会给其他人看他制作中的剧本?
久弥:嗯,因为我是秘密主义(★6)。我不太想让人看到未完成的东西。因为想让人们看到令我满意的状态,所以对其他人守口如瓶。在开发过程中,我一直说“亚由已经去世了”。但背地里,我写了一个不同的故事。想着试玩(7)的时候大家的反应,这使我感到快乐(笑)。
★6)秘密主义
工作人员之所以异口同声地说“久弥君不给我看剧本”,原来是这样的原因。
★7)试玩(test play)
指试着玩已经制作完成的游戏。久弥先生以外的Key成员,现在才知道剧本的内容是什么。顺便一提,实际定义上,试玩与调试(debug)是有所区别的。
秋子さんの職業は秘密です
——ここで、ゲームの内容についてお聞きしたいのですが。秋子さんの職業(★8)とか……。
久弥:ご職業……だめです、言えませんね。考えていないわけではないですけど(笑)。
★8)秋子さんの職業
本当に、なんの仕事をしているのだろう。樋上さんが描いた同人誌内のネタで、
“暗殺者”というのがあるが。
——ジャムの材料(★9)とかも内緒ですか。
久弥:そうですね、社外秘です。というか、社内でも秘密なんですけど(笑)。
——ヒントもだめですか。
久弥:なんか、マグロじゃないかって噂があるんですよね。
——マグロ!?なんでまたそんなものが。カジキマグロとかですか?
久弥:開発スタッフの間で、秋子さんの旦那さん(★10)は遠洋漁業でいないんじゃないかという話がありまして。実は、死んだわけではなくて、仕事で留守にしているっていう。マグロ業(★11)、一回当たると結構でかいらしいですしね。
—— 一億くらいたまるらしいですね。
久弥:だから、あんな大きい家に住んで普通に生活できるのではないかと。だから、あのジャムも、マグロなのではないか、と(笑)。これはただの内輪ネタなんですけどね(笑)。
★9)ジャムの材料
名雪が逃げ、あゆが青ざめ、香里までもがため息をつくほど強烈な味らしいが、しかし、マグロって……。
★10)秋子さんの旦那さん
ゲームの中、名雪が「お父さんの顔を知らない」というシーンがあるが、本当のところはどうなのだろう。
★11)マグロ業
儲かるらしいが、かなりハードなお仕事。長時間、家をあけることになる。たまに、サラ金を返せないと漁船に乗せられるという噂も……。
——そういえば、舞台のモデルになっている都市って、北海道(★12)なんですか?
久弥:そこも謎です。北海道かもしれません。日本語をしゃべってるみたいですから、多分、日本だと思いますよ。
——いや、「多分」って……(笑)。
久弥:日本にしては、変な学校ですけどね。
——あと、気になるところというと、香里と北川くん(★13)は付き合っているのか、とか。少なくとも、北川くんは香里に惚れてそうですが。
久弥:それは、僕にはなんとも。男女間のことはよくわからないです(笑)。でも、なんかいい雰囲気ですよね。
★12)北海道
ともかく寒くて、雪が多い土地柄。コギャルは、冬でも生足でルーズソックスという出で立ちで闊歩している。彼の地のひとたちいわく、「東京には冬がない、あれは春だ」。
★13)香里と北川くん
なんだかいろいろと仲がよいように見受けられる。すごく、気になる。
秋子阿姨的职业是秘密呢
——在这里,想问一下关于游戏内容的问题。秋子阿姨的职业是(★8)……?
久弥:要问我职业是什么……不行,不能说。我倒也不是没想过。(笑)
★8)秋子阿姨的职业
她到底在做什么工作呢?在一个樋上女士画的同人志里的neta里,秋子阿姨的职业是“暗杀者”。
——果酱的配方(★9)也是秘密吗?
久弥:是啊,这是公司机密。说起来,对于公司内部的人也是个秘密(笑)。
——不能给一个提示吗?
久弥:好像有传言说那是用金枪鱼做的吧。
——金枪鱼!?怎么会有那种东西?是旗鱼、金枪鱼之类的吗?
久弥:开发人员中,有人说秋子阿姨的丈夫(★10)从事远洋渔业,这并非没有可能。其实,他并没有去世,只是因为工作经常不在家。从事金枪鱼业(★11),据说收获一次的收入非常可观。
——有一亿日元左右的积蓄呢。
久弥:所以,住在那么大的房子里,应该可以普通地生活吧。所以,那个果酱该不会也是金枪鱼做的呢?(笑)虽然这只是内部话题(笑)。
★9)果酱配方
据说那是让名雪闻风而逃,使亚由脸色发青,连香里都连连叹息的强烈味道,不过,配方是金枪鱼……
★10)秋子阿姨的丈夫
在游戏中,名雪说过“我不知道父亲长什么样”,真实情况是怎样的呢?
★11)金枪鱼业
虽然赚钱多,但工作相当辛苦,长时间远离家庭。偶尔还有传言,如果还不了高利贷,就会被拉上渔船……
——这么说来,作为故事背景原型的城市,是北海道(★12)吗?
久弥:这也是一个谜。可能是北海道吧。因为好像人们都在说日语,所以我想大概是在日本。
——不,这也太“大概”了吧……(笑)。
久弥:就日本而言,这是所很奇怪的学校呢。
——另外,说到我在意的地方,香里和北川(★13)正在交往吗?至少,北川看上去是爱上了香里。
久弥:我觉得也没什么。我不太了解男女之间的事情。(笑)但是,总觉得他们之间的气氛很融洽呢。
★12)北海道
总之是寒冷多雪的地方。小辣妹们(译者注:多指染着茶发、将制服裙缩短、身着泡泡袜的年轻女性。是一种从上世纪90年代初开始流行的时尚潮流)即使在冬天也光着腿穿着泡泡袜昂首阔步。北海道当地人说:“东京那不叫冬天,那就是春天。”
★13)香里和北川君
总觉得他们看起来关系很好。我对此十分在意。
——栞の病気(★14)は何だったんでしょう?
久弥:なんでしょうね、難しい名前の病気らしいですけど。
★14)本人も「難しい名前の病気」としか言っていない。難しすぎて病名を忘れた!?
——久弥さんのなかでは、栞は確実に病気なんですか?栞や香里が、そう思い込んでいるわけではなくて。
久弥:確実に病気です。それは間違いないんですよ。病名は……ね。
——謎が多い(★15)ですね。実は考えていないとか……?
久弥:そんなことないですよ(笑)。なにをおっしゃられるんですか。ありますよ、ちゃんと。けど、ちょっと言えないんです(笑)。
★15)謎が多い
特に悩む様子もなく、明るく、即答されました。なんか、釈然としないのだけれど……。
——そうですか(笑)
久弥:ただ、栞といえば、誤解されてるところがあるんですよ。ゲームの中で、主人公が栞の最後の一週間を受け入れるときの話ですけど、栞がちょうど一週間後に死ぬ、そういう運命を受け入れてるみたいな形で捕らえられてるところがあるんですね。で、じゃあなんで時限爆弾みたいにぴったり一週間で死ぬんだ、おかしいぞって……。違うんですよ、そこは。一週間っていうのは栞と主人公の間で決めた期間なんです。それ以上会っていれば、絶対に別れが来るわけだから、お互いによくないっていう。だから、一週間後に消えるっていうのは、お互いが約束を守りきったんですよ。あのあと会おうと思ったらたぶん会えたでしょうし、すぐ栞が死んだわけでもないですから。そういう話なんですよ。ところが、僕の文章がへただったんで、うまく伝わらなかったみたいですね。そんな都合よく死ぬはずもないですし、それを栞がわかってるっていうのもおかしな話なんで(笑)。
——なるほど、栞の評価が分かれるところでもあるでしょうね。
久弥:ただ、そこをちゃんと読みとってくださったユーザーさんのなかでは、評価してくださる方もいれば、逆に、だからこそ、受け入れられないっていう方もいるみたいで、結局としては、それもよかったかなと思うんですよね。そういうふうに、賛否両論分かれるのは。
——栞的病(★14)是什么呢?
久弥:是什么呢,好像是一种名称很复杂的病。
★14)栞的病名
她本人也只是说“是一种名称很复杂的病”。复杂到甚至忘记了叫什么!?
——久弥先生是内心深处认为栞确实生病了吗?而并不是像栞和香里这样认为的?
久弥:确实是生病了。这是肯定的。病名是……啊,是什么呢。
——她身上的谜团(★15)真多。实际上您没有考虑过设定吗……?
久弥:哪有(笑)。您说什么呀?当然有认真地考虑过。但是,有点说不出口(笑)。
★15)谜团很多
栞没有特别地愁苦,而是很开朗地马上回答了。但我仍然无法释然……
——是吗?(笑)
久弥:不过,说到栞这个人物,也有被人们误解的地方。虽然在游戏中,讲述了祐一接受栞的最后一周的故事,但栞正好在一周后去世,人们认为,她以接受这种宿命的方式离开了人世。那么,为什么她的大限会像定时炸弹一样,正好是一个星期之后,这一点太奇怪了……。并不是这样的。一周是栞和祐一之间约定的时间。如果在此之后再见面,就一定迎来永别,这样对双方都不好。所以,一个星期后栞的消失,是双方遵守了约定。那之后,如果想见面的话应该还是会见面的,而且栞也不是马上就去世了。就是这么回事。但是,我的文笔很差,似乎并没有很好地传达出来。不可能那么凑巧地死了,而且栞知道这一点,也是一件奇怪的事情(笑)。
——原来如此,这也是人们对栞线褒贬不一的地方吧。
久弥:但是,在认真阅读了这些内容的玩家中,有的玩家给予了好评,反过来,正因为如此,好像也有不能接受的玩家,最终来看,像这样意见不一,这也挺好的。
捕え方は、ユーザーさん次第です
——話は変わりますが、ゲームの途中まで、雪が降るカットとメッセージが表示されますが、意味シンな雰囲気ですよね。
久弥:あれは、あゆの子供のころのシーンを一個一個追ってるんですよ。あゆの“思考”って感じでしょうか。だから、それぞれにちゃんと意味があるんです。ただ、ネタバレになるから、一人称は入れなかったんですよ。で、最後の最後て“ボク”って入ってくる……。
——すべての奇跡を起こしているのは、あゆだというふにとれますね。
久弥:どう捕えてもいいところがあるんですけど、答えへの道しるべみたいなものはあった方がいいかな、と思いまして。それをいちばん的確にできたのが、栞のシナリオで、実は、あのラストシーンは、あとでつけ足しているんです。蛇足かなとも思ったんですけど、僕は、理由のない奇跡っていうのがあまり好きではないので、ひとつの答えとして用意したんです。
——麻枝さんは、真琴と舞の奇跡は本人が起こしているとおっしゃってましたが。
久弥:いや、それでもいいと思うんですよ。ほんと、ユーザーさん次第ですね。明確な答えを用意するのが好きじゃないんですけど、手を抜いているわけでもないし(笑)。
——ところで、お気に入りのキャラクターは誰ですか?
久弥:見た目は香里ですね。出番が少なかったので寂しいんですけど、ああいうタイプがいいかなと。
——書いてて、楽しかったキャラクターはいますか?
久弥:名雪です。彼女は初め、極めて普通の女の子だったんですよ。それだけに、どうしようって悩んだんですけど。日によって口調もいろいろ変わったりしてました。それが、3秒で眠れる(★16)特技がついたあたりから、怪しい方向に走りだして。書いているうちに変な設定が増えていって、すっかり不思議なキャラクターに(笑)、でも、そこがいいといってくださるユーザーさんが結構いらっしゃって、ああよかった、と(笑)。
★16)3秒で眠れる
かなりすごい特技だ。その調子で3秒で起きてくれたら、祐一も秋子さんも苦労しないのだが。
——開発中、ほかに楽しかったこととかは?
久弥:途中で、ゲームのデモCDを作ったんですけど、それが結構楽しくて。シナリオ書くのをいったん中断してCD作って……そのときはいろいろできたので楽しかったですね。いい気分転換にもなりましたし。
——最後に、ユーザーさんへのメッセージはなにかありますか?
久弥:今度から発売日は守ります。
——言いちゃいましたね?
久弥:言いちゃいましたよ。
——言いちゃいましたね!?
久弥:言いましたよ。あ、どうしよう、書かれる(★17)……絶対、書かれる……
守りたいです(笑)。
——あれ(笑)?
久弥:いや、守ります、はい(笑)。
★17)書かれる
もちろん、書きました。だって、そんなこと言われちゃったら、書きますってば。いつの世も、断言は危険なんですよ。
如何理解剧情,取决于玩家
——让我们换个话题,到游戏的中间部分,伴随着下雪的画面,会出现文字信息,是有意义的场景吗?
久弥:那些文字是在一个一个地回顾着亚由小时候的场景。这就是亚由“思考”的独白吧。因此每一句话都有着各自的意义。不过,考虑到可能会剧透,所以没有用第一人称。然后,在独白的最后的最后的,说出来“我”字……。
——是亚由创造了所有的奇迹?
久弥:虽然怎么去理解都可以,不过我想,还是应该有个指引答案的路标。最明确体现这一点的,是栞的剧本,其实,那个最后的场景,是后来才加进去的。我想会不会有些画蛇添足,但我还是不太喜欢毫无理由的奇迹,所以设定了一个答案。
——麻枝先生说,真琴和舞的奇迹是由她们自己创造的。
久弥:不,我觉得这样也没关系。真的,这取决于玩家怎么想的。我不喜欢留有明确的答案,但对此也不敷衍了事(笑)。
——对了,您最喜欢的角色是谁?
久弥:看起来是香里吧。因为出场的很少,所以看起来很孤单,不过,那种人物类型似乎挺好的。
——创作过程中,有写得开心的角色吗?
久弥:名雪。她一开始只是个极其普通的女孩。正因为如此,我很烦恼该如何是好。她每天的语调的变化各种各样。在那里,由于加入3秒入睡(★16)的特技,剧情朝着奇怪的方向发展。写着写着,奇怪的设定就出现了,这个角色简直不可思议(笑),不过,有很多玩家反应这个设定很好,啊那真是太好了(笑)。
★16)3秒就能入睡
相当厉害的特技。像这样3秒就能起来的话,祐一和秋子阿姨就不会那么辛苦了。
——在开发过程中,还有什么开心的事吗?
久弥:在中途,做了游戏的演示CD,相当开心。暂时停下来写剧本,去制作CD ……那个时候因为做了很多事所以很开心呢,还能转换心情。
——最后,有什么想要对各位玩家们说的吗?
久弥:从这次开始守住发售日。
——说完了?
久弥:我说完了。
——说完了!?
久弥:说过了。啊,怎么了,写出来了(17)……绝对,写了出来……想要守住发售日(笑)。
——咦(笑)?
久弥:不,守住发售日,是的(笑)。
★17)写了出来
毫无疑问,写了出来。因为你是这么说。这个世上,任何时候,断言都是危险的。
番外篇(包含个人介绍和一些有关个人生活的访谈内容)
久弥直樹
性別:♂ 出身:大阪府 星座:山羊座
好きな食べもの:ファミレスの日替わり定食(単に、よく食べるというだけ)
企画・シナリオ担当。専門学校時代は授業中、『Magic:The Gathering』(★18)に熱中した過去を持つ。魚系の食べ物が苦手。
★18)Magic:The Gathering
知るひとぞ知る、トレーディングカードゲーム。真剣に強くなろうとすると、かなり金がかかる。普段の買い物の最中にこれを買うとスターターが何箱買える、とか思い出したら、かなり終わっているらしい(経験者談)
久弥の礼拝堂 インタビュー 番外編
——奇跡(★19)に遭遇したことあります?
久弥:『Kanon』がマスターアップしたことですか。
——奇跡ですか(笑)。
久弥:最初の奇跡は、前作がマスターアップしたことですね。
——マスターアップの度に、なんか奇跡が(笑)。
久弥:ああ、奇跡だ……。終わった……。本当に終わったんだって(笑)。
——3つ目の願いは……やはり……。
久弥:いいです、もうふたつでいいですよ。土日休みたいじゃないですか。
——いま、休めてるんですか。
久弥:休んでます。土日休みが奇跡ですね。え、土曜日会社来なくていい、日曜日まで会社来なくていい!2連休だっていう。
——それも奇跡なんですか、もしかして。
久弥:安っぽいですね、奇跡。やめときましょうか。めちゃめちゃ安っぽいですね。
——いや、奇跡はやっぱり信じてれば……起きるんですね(一同笑)。
★19)栞いわく、「起きないから、奇跡って言うんですよ。」だか、本人が奇跡だと思えば、どんなことでも奇跡になり得るのであろう。
久弥直树
性别:♂ 出身:大阪府 星座:摩羯座
喜欢的食物:家庭餐厅的每日套餐(只是经常吃)
企划、剧本担当。在专门学校时代上课时,热衷于万智牌(18)。
不喜欢鱼类食物。
★18)万智牌
知道的人都知道,这是一种集换式卡牌游戏。要想真正变强,需要相当多的钱。平时买东西的时候,一想到去买一包,就会买上几箱,随即一发不可收拾(经验者谈)
久弥的礼拜堂 采访(番外篇)
——您遇到过奇迹(★19)吗?
久弥:《Kanon》的Master Up是奇迹吧。
(译者注:Master Up,指游戏制作完成并投入生产的阶段)
——是奇迹吗?(笑)
久弥:第一个奇迹是,是游戏的Master Up呢。
——每次Master Up完成,总觉得是奇迹(笑)。
久弥:啊,真是奇迹……。终于结束了……。真的结束了(笑)。
——亚由的第三个愿望是……果然是……。
久弥:好吧,两个愿望就够了。周末不是应该想要休息吗?
——现在正在休息吗?
久弥:我正在休息。在周末休息真是奇迹啊。啊,周六不来公司也行,周日之前不来公司也行!据说公司连着两天放假。
——难道,这也是奇迹吗?
久弥:好廉价的事情,奇迹。还是算了吧。简直太廉价了。
——不,还是相信奇迹吧……会发生的呢(一同笑)。
★19)奇迹
栞说:“正因为没有发生,所以被称作奇迹。”总之,只要本人认为是奇迹,任何事情都有可能成为奇迹。